新米デザイナー 今月の一冊 #05

新米デザイナー 今月の一冊 #05

デザイナーに欠かせない「センス」を磨く方法。
その方法の1つは「いろいろな本を読むこと」だと思います。
デザインの本はもちろん、デザイナーとしての生き方、学び方などたくさんの「本を読む」を、新米デザイナーのマツモトが新米なりにお話ししていきたいと思います。

デザインの言語化 〈クライアントの要望にこたえる4つのステップ〉

タイトル:デザインの言語化 〈クライアントの要望にこたえる4つのステップ〉
著者:こげちゃ丸

 

かんたんに本紹介

私たちデザイナーのために、クライアントやディレクターにどのように伝えたら納得してくれるか?共感してくれるか?などの言葉選びやコミュニケーションの取り方をとてもわかりやすくまとめて頂いている一冊だと思いました。
デザイナーだけではなく、ディレクターへ向けて書かれたチャプターもあり、ディレクターさんが考えていることを少し覗くことができた気がします。

なぜ気になったの?

ズバリ、私自身コンセプトを伝える能力が乏しいからです!

人前で話すと緊張してガタガタになってしまうからせめて文章でまとめよう!と思っても、つらつらと書きすぎて気づいたら5行くらい書いている…。なんてこと皆さんはご経験したことはありますか?私は月に3回はやっています。
なんとかしようと思っても、この年齢になって今から国語を勉強していくのも違うし、本で一旦学んでみようと思い当たりました。

わがままな私は、本は短め、文字は大きめ、写真多め、なんかあったかい優しい書き方しているもの…などなど、たくさん条件がある中でこちらの本を発見しました。
著者の名前も「こげちゃ丸」でかわいい(愛犬の名前に似ているからかも)し、きっと心がやさしいのだろうな…と思い、この本にしよう!と決めました。

読んだ感想・学び

実はこの本を読む前にこんな出来事がありました。

「いい感じに絵描いてデザインしてよ〜〜〜」 

この言葉は実際に母に言われた言葉です。先日母と、母の勤めている会社の方たちに向けてTシャツをデザインした機会がありました。母には「いい感じに」と言われたため、漠然としたコンセプトはありつつも結構感覚的にデザインを制作しました。

「いやこの背景はなんか違う、このデザインにした意味は何?」

こちらはデザインを母に見せた後です泣
 「いやいい感じにって言ったやん、いい感じじゃん、この背景」と少々口論しましたが、確かに言われてみれば、それはそう。
しかもこの場合、母はディレクターの役割なので会社の人たちには「いい感じに」では納得してくれないかもしれません。「背景がオレンジなのはね…」と細かくコンセプトを伝えていれば、母もきっと納得してくれたし、会社の方達にも作ったデザインの意図を伝えられたのだろうな、と思いました。
この本を読んだ後に依頼が来ればよかったな。(結局、背景は黄色に落ち着きました

そしてこの本にもしっかりとそのようなことが書かれていました。

「お任せします」ほど怖い依頼はないですよね。「お任せしますとは言いましたが、好きなようにデザインしていいとは言っていません!」という未来の会話が聞こえてきそうです。それを避けるには、明確でわかりやすいデザインコンセプトが必要です。(参照:P079 STEP2 デザインの意図を伝える)

ほうほう、

コンセプトを伝えるのはとてもいいことですが、補色だとか明度対比だとかアクセントカラーだとか、母に伝えたところでデザイナーでないので、捻りすぎたコンセプトを伝えても「?」になりそうです。
このコンセプトの伝え方がとても難しいところであり、どこまでクライアントに伝えるかも肝になります。その伝え方もしっかりと詳しく記載していました。こげちゃ丸さんがおっしゃったのは「誰もが知っている言葉・表現で」「捻りすぎず、簡潔に表現すること」でした。人によって知識や教養も違うからこそ、ここは私も大事にしていきたいところだと感じました。

グッときたところを1つご紹介

ページとかではないのですが、前述した通りこげちゃ丸さんの優しい言い方や例え方がとても好きでした。
例えば、隠喩の使い方について記載しているチャプターではこんな感じ。

ウィンナーがリアルな豚のカタチをしていたら、ちょっと切ないですよね。また、超絶技巧で金閣寺のカタチに飾り切りされても食欲はわかないでしょう。

内容はいたって真面目なのに、例え話が「ウィンナー」。からの「金閣寺」笑
こげちゃ丸さんの人柄が出てて好きです。私は活字を読むことが苦手ですが、その他にもユニークな表現や例えが多く、くすっと笑える箇所がたくさんあって楽しんで読むことができました。

結局誰にオススメ?

「デザインについて伝えることが苦手な方」です。まさに私がそれで、な〜んか口に出すと恥ずかしいんですよね。それはきっと自分の言葉に自信がないからです。しっかりとしたコンセプトはあるのですが、言葉を上手く扱えないから小っ恥ずかしくなってしまうんでよね…。でも、この本を読んでいるうちに言葉に対する苦手意識が変わっていきました。(この調子でどんどん取捨選択ができて成長していけば良いのですが…!)私と同じ悩みを抱えている方は一度お手に取ってみるのはいかがでしょうか?

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