アカリヲのクリエイターが読みたい本 vol.4

アカリヲのクリエイターが読みたい本 vol.4

時代が新しくなっても本の持つパワーに魅せられてしまうのが、クリエイターの性(さが)。
かつてのレコードやCDのようにジャケ買い的にビジュアル先行で購入したもの、好きな作家の新作または名作、自己啓発本、芸人本、洋書、デザイン本など、なんでもアリ。
その人を知るには、どんな本が好きなのかを知ればわかる…という話を聞いたことがあるので、やってみようかと思います。

今日、誰のために生きる? アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語

紹介者:板倉みなみ
紹介する本:「今日、誰のために生きる? アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語」 著:ひすいこたろう/ SHOGEN 

この本を選んだ理由は?

井上から「精神論的な本を読んでいそう」とパスをもらったので、お応えしなくてはと思い…。実はこれまであまり精神論的な本は読んだことがなかったんです。読むのはホラー、ミステリー、サブカル、ノンフィクションがほとんどでした。でも、子どもができてから「愛」や「人生」とかそんな壮大なテーマに自然と向き合えるようになり、ヒューマンドラマや人生哲学的なジャンルに興味を持ったのもキッカケになっています。たまたま見ていたブログで、ペンキ画家「ショーゲンさん」のことを紹介していて、Youtubeを見てこの人に興味を持ち、その後TVで本が紹介されているのを見てなんとなく買ってみました。

少し中身の紹介を。ショーゲンさんはアフリカの人口200人ほどのブンジュ村へ画家になるため修行に行き、そこで出会った住人からあらゆることを学びます。ブンジュ村の住人は縄文時代の日本人から生き方を教わったらしいです。1万何千年も前の人からどうやって学ぶのかというと、むかーしこの村のシャーマンのお爺さんが縄文時代の日本人と交信し、日本人の生き方に感銘を受けこの村に根付かせていったそうですよ。にわかには信じ難いですが、ロマンがあっていいなと思いました。そんな話抜きにしても、とても心に響く言葉がたくさん載っている本でしたので、おすすめです!

読んでみた感想は?

とても心温まるし、パワーが湧いてくる本でした。が、反面、自分の生き方の間違いを指摘されたようで落ち込みもしました。そんな相反した気持ちが生まれた不思議な一冊ですね。

「なんで日本人は心のゆとりを失ったんだ? 」「空も見上げられない人が多いのか? 」とは、ブンジュ村の村長さんの言葉です。ゆとりのある生活って、足るを知り多くを望まなければ、いくらでも方法はあるのかもしれません。なぜか型にはまり、周りに合わせて生きていかなきゃと焦りを感じるのは日本の教育によるものだろうか、とも思いました。子どもたちも小さい頃から足並みを揃えて行動し、時間を守り、和を乱すことは許されない…そんな息苦しい中で生きることが普通になってしまったんだなと感じてしまいました。

あと、「子どもの前で失敗を隠すのはやめてね。失敗する大人を見るから、子どもは安心して未来を描けるんじゃない? 」にもハッとしましたね。ダメな自分を受け入れる、身に染みる言葉です。皆、思いやりとゆとりを持てたらいいと思う。ただ実社会で生きる上では他者に迷惑をかけないよう、そうそう大らかに構えられないのも現実ですよね…。

ひとつ気になったものをご紹介

「虫の音がメロディーとして聞こえる、虫と会話ができる稀有な民族」という一節がありました。これ、日本人のことだそうです。虫好きの私はとってもテンションが上がりました。日本人は虫の声をメロディーのように感じることができるけれど、海外の人はただの雑音に聞こえるようで、特に欧米人は「雑音」として右脳が処理してしまう脳科学的な仕組みがあり、実際、京都の鈴虫寺も海外では「騒音寺(NOISE TEMPLE)」と言われているのだとか。日本人は虫の音をはじめ、自然の音を左脳で処理しているので「声」と同じように聞いている…だから、日本語には虫の声や自然の音を表現するオノマトペがたくさんあるんですね。物知りになっている感覚が嬉しくないですか?

ごめんなさい、もうひとつ。
「今日、誰のために生きる? 私は自分のために生きるから」。タイトルの答えはこれでした。ブンジュ村の挨拶だそうです。自分の喜びのグラスを満たし、そこから溢れた愛情で人のために何かしてあげればいい。自分が満たされていないと本当の意味で人の役には立てないという考えによるものです。自分が一杯一杯の状態なのに誰かに何かを渡そうとしたら自分をすり減らすしかなくて、それは必ずトラブルにつながる。ハッとする言葉でした。子どもを笑顔にするためには、まず自分が笑顔になること、ですね(女児の母としての感想)。

今後、読んでみたいと思っている本は?

2冊あるのですが、ひとつは〈縄文文明 世界中の教科書から消された歴史の真実〉。こちらは、今回の本を読んで俄然、縄文時代に興味が湧いてしまったためです(笑)。この本のキーワードとも言える「縄文時代」は、なんと14,000年も続いていたんですね。
それでいて、遺跡からは対人用と思われる武器が全く出土しておらず、外傷によって亡くなった人骨もほぼ出ていないそうです。争いが絶えなかった世界史から見て、ずっと平和が続いた縄文時代は奇跡の時代と言われているそうですよ。

もう1冊は〈自分の中に毒を持て〉。岡本太郎さんの本でずっと興味を持っていた本でもあります。今回の本にもちょっと出てきたので読んでみようと思います!

次回担当するスタッフは誰をリクエストしますか?

次は、ゆいのちゃん、お願いします! 年齢も離れているし、私の中で勝手にめちゃくちゃミステリアスな存在でもあるので、どんな本を読んでるのか気になります。期待大です!

人気タグ

Contact

お問い合わせ

このサイトについて、また、ホームページ制作、グラフィックデザイン、原稿制作のご相談や制作料金のご質問など、お気軽にお問い合わせください。