アカリヲのクリエイターが読みたい本 vol.5
時代が新しくなっても本の持つパワーに魅せられてしまうのが、クリエイターの性(さが)。
かつてのレコードやCDのようにジャケ買い的にビジュアル先行で購入したもの、好きな作家の新作または名作、自己啓発本、芸人本、洋書、デザイン本など、なんでもアリ。
その人を知るには、どんな本が好きなのかを知ればわかる…という話を聞いたことがあるので、やってみようかと思います。
私という植物を育てることに決めた
紹介者:小笠原唯乃
紹介する本:「 私という植物を育てることに決めた 」 著:キム・ウンジュ 、イラスト: ウォーリ―・ラインズ、翻訳: 小笠原 藤子
この本を選んだ理由は?
みなみさんからバトンを受け取りましたが、まさか、ミステリアス…そんな印象を持っていたなんて…(笑)。ということで、期待にお応えできるのか不安しかないですが、新しくではなく本棚にあるものから。ベビー服やキッズ服のデザインに携わることが多いため、ポジティブな言葉を吸収・発信していきたいこともあり、中でもこれを選択しました。
普段はよしもとばななさんの小説・イラスト集(その他は美術展の本を集めたり)や何かを作るための参考本、占いの本などが多いです。社会人になってから、特にアンテナが向くようになったのは韓国のエッセイ本。気分的にかなり落ちている時期に姉から勧められ読むようになりました。トゲトゲな世の中において、そっと寄り添い前向きにしてくれるようなものばかりなところも好きなジャンルのひとつになった理由かもしれません。いつも読んでいる間はゆるっとした気持ちになれています。
定期的に近所の書店へ行っては、つい気になるタイトルのものを購入してしまい、積読ばかりな私です。
読んでみた感想は?
まるで詩のような言葉たちと、それぞれのタイトルに添えられたゆるゆるなイラストがとっても癒されます。パワーが湧いてくる上に自分の姿勢を正せるような本ですね。惹かれた理由でもあり、お気に入りポイントでもあるのが、このタイトルと「セルフガーデニング」というテーマ。植物がだんだんと花開いていくように章が分かれているのが素敵です!
少し内容に触れますが、「透明マントの使い方」や「パーソナル単語帳」は印象に残っています。その他、「送る言葉が美しければ、返ってくる言葉も美しいはずだけど、送る言葉が美しかったら、それだけでもう十分に意味がある」、「私たちはあまりにもくだらない理由で好きなことを諦め、あまりにも滑稽な理由でしたくもないことを続けている」、「変化は突然で、別れは辛く、失敗は重く、夢を叶える過程は骨が折れること。あなたの人生だけがそうなのではなく、誰の人生でも本来そういうもの」このあたりも個人的には心の琴線に触れてきた表現です。
「読書は時間と場所を自由に行き来できる、いちばん手軽で簡単なセルフガーデニング。本の残りのページが少なくなるにつれ、人生の残りのページが豊かになる」この節は、まさにその通りだと思います。終わりが近づくにつれて、自分として心地よく生きるためのヒントを得た気持ちになりました。そして、「もっと本を読もう…」とも思えました。
ひとつ気になったものをご紹介
まだできていないのですが、それぞれの章に「やってみよう! 」というプロジェクトが挟まっていて、自分と向き合えるような内容になっています。その中でハッとさせられたのがあります。
- 「手遅れになる前の「今」やりたいことリスト」
いつも、「いつかやりたいな〜」とあれやこれやと考えるけれど、結局できていない…と落ち込むことばかりな「いつか」人間な私にとっては大きな気づきでした。そこで気になったのが節々で出てくる「今」という言葉。自分と向き合うということは、忙しない日々の中でも「今」の自分に向き合うということなんだなと。 - 「パーソナル単語帳」
片方によく使う単語を書き、もう片方にはなりたい自分に合う単語を書くというもの。そうして消し去りたい単語を捨て、自分の中の単語帳をブラッシュアップしていく…言葉には敏感な方だと自分では思っているのですが、それでも、うっかり「それじゃなかった! 」と後から後悔するものを使ってしまったりすることがたくさんあります。
「こういう向き合い方があったのか」という発見を得たので、この2つは早速やりたいと思っています。最後には辞書のように使えるインデックスが付いているので呼吸を整えたい時に開きたい一冊になりました。
今後、読んでみたいと思っている本は?
読みたい本は、もうた〜っくさんあります! 同じジャンルだと、「怠けているのではなく、充電中です。」がすでに気になっています。次にお家で積まれて待機しているのは、 小川糸さんの「糸暦」、星野源さんの「よみがえる変態」など。最近はいろんな人の人生観を知りたくて、エッセイを手に取ることが多いみたいです。いろいろな考え方を知りたい欲が強いのかもしれません。
次回担当するスタッフは誰をリクエストしますか?
これはもしや入社順なのかなと感じているので、その流れを汲むとあおいちゃんとなりますので、お願いしま〜す!
いつもアカリヲノートでいろいろな本を紹介してくれているけれど、普段はどんな本を選んでいるのかとっても気になる! よろしくお願いしますね!