デザイナーが企画を考えたって、いい。vol.2
デザイナー:顧客の依頼に応じてデザインを考え、提案し、製品やWebサイト、カタログ、ポスターなど、あらゆる物のデザインを手掛ける職業。デザイン:機能性や実用性、独創性、美的要素など、さまざまな目的を果たすために、図案や模様を考案したり、造形すること。でも、デザイナーが企画を考えてもいいのです。企画まで考えたって、いいのです。と、アカリヲは考えます。
求められているものを提示することがお仕事
アカリヲがデザイナーとして大切にしていることは、「デザイナーは作品づくりをするのではなく、デザインで課題解決をするために存在する」ところにあります。クライアントワークだからといって、言われた仕事・オーダーに対してのみ動くのは価値がないですよね。かといって、クライアントの意向を汲まずにトレンドややりたいデザインを追いかけた作品性の強い納品物を提出していては、要望にお応えしていない…どちらも仕事として満たしておらず、アカリヲとしても目指すべき姿ではありません。
目指すのはどんなお題にも的確に、おっと目を引き、オリジナリティのある納品物。言うなれば、大喜利の得意な芸人さんのような瞬発力と拡張性を持ったデザイナーでありたいと思うのです。そうであれば、企画からも考えられるデザイナーになれるはず。これまで通り、クライアントからのお題に真摯に向き合い、大喜利に答えるように「こんなのもありますよ」と提案していくことを続ければ、企画もできるデザイナーへと進化しているはずです。
領域はブランディングへも広がっていく
大小を問わず、これまでも企業や飲食店、サービスのブランディングに携わってきたアカリヲ。昨今、ブランディングの幅や深さはさまざまな形となって世に出ていますが、アカリヲがこれまでに携わったものは、良くも悪くも「デザイン」の域を超えていないものが多い気がしています。ここで言うデザインは平面的な装飾という意味のデザインです。それはそれとして大切なものであり、求められているものでもあるのですが、もっと根本から、仕組みから、考えや概念さえもデザインしていければ、しっかりと筋の通ったブランディングができると考えています。そのためには、企画すること、問題提起、背景を知ること、本質まで掘り起こすことが必要になります。その部分をアカリヲ全体で鍛えていければ、いろいろなモノ・コトをデザインするアカリヲとなれるのです。
やっぱり必要となるのは、言語化力
感覚的にビジュアルで訴えかけることをデザインと捉えている人が多いかもしれませんが、本来デザインは論理的に説明できなければならないものです。ある法則に基づいてレイアウトされているものや色の組み合わせなんかもそうです。画像の比率も、文字組のサイズも、余白のスペースも。「なんとなく」「こっちの良いと思ったから」という言葉足らずな説明のために誤解されがちですが、多くのデザイナーはこれまでに身につけた法則やバランス比率に基づいてデザイン・レイアウトしているのです。
少し残念なのが、「デザイナーは多くを語らず、納品物で示すもの」が美学とされているところ。賛成する点も多分に含んでいますが、それだけではクライアントもユーザーも物足らないのも事実なのです。解決するには、もっと突き詰めてプロジェクトや納品物の仕上げに向き合うこと。そのためにまず必要になるのが、言語化力。相手への説明、筋道の立った、説得力のあるデザインを支える本質には、言葉が宿っています。考えるのも言葉、企画を練り表現するのも言葉。言葉とデザイン、本当は密接な関係なのですよ。さ、企画しよ。